「ガードレール」「ガードパイプ」「ガードケーブル」「ボックスビーム」ってどう違うの?

はじめに

この記事では、混同されがちな防護柵の名称「ガードレール」「ガードパイプ」「ガードケーブル」「ボックスビーム」について説明いたします。

弊社は防護柵のメーカーではございませんが、弊社が製造・販売する視線誘導標をはじめとする交通安全用品は防護柵に取り付けて使用するものが多く、弊社の製品との関係が深い製品です。それぞれの違いについてご理解の一助となれば幸いです。

いずれも防護柵の名称です

「ガードレール」「ガードパイプ」「ガードケーブル」「ボックスビーム」は、いずれも防護柵の名称です。

車両衝突時の衝撃緩和を主たる目的として設置される交通安全施設ですが、形状により名称が異なっています。

また、名称とは別に設置場所の状況や設計速度に応じて「種別」が設定されており、同じ名称の防護柵でも種別により、形状や構造が若干異なります。

ガードレールとは

波型の断面を持つ「ビーム」と支柱から構成される防護柵です。波型形状を持つビームは衝撃吸収能力が高く、破損個所の取り替えも容易で施工性にも優れています。もっとも一般的な防護柵で、多くの場所に設置されています。

種別は強度が低いものから順にC種、B種、A種、SC種、SB種、SA種、SS種の7種類あります。

C種~A種はビームの山が2山、SC種~SS種はビームの山が3山となっています。

※C種については凸型ビームを使用した景観型も存在します。

※上記の種別に加えて、中央分離帯設置用のタイプも存在し、種別名に「m」が付きます(例:Cm種、SCm種)。中央分離帯設置用は、Cm種~Am種、SCm種~SAm種はビームの山が2山、SSm種はビームの山が3山となっています。

ガードレールに取り付ける交通安全用品の一例

弊社が製造・販売する交通安全用品のうち、ガードレールに取り付けて使用する製品の一例をご紹介します。

ガードパイプとは

複数の丸パイプビームと支柱から構成される防護柵です。ガードレールに比べて施工性は劣りますが、丸パイプビームを適度な間隔で配置しているため展望性が高く、ドライバーが防護柵の奥にいる歩行者を認識し易い構造です。

種別は強度が低いものから順にC種(Cp種)、B種(Bp種)、A種(Ap種)の3種類あります。

また、ガードパイプに形状の似た防護柵として「横断防止柵」「転落防止柵」があります。

「横断防止柵」や「転落防止柵」はガードパイプと異なる防護柵で、歩行者や自転車の乱横断や、歩道からの転落を防ぐことを目的に設置されるものです。各メーカーにより様々な形状のものが製造されていますが、ガードパイプと比べると比較的細い支柱で構成されているためガードパイプほどの強度は無く、あくまで歩道と車道および路外を区切るための防護柵となっています。

ガードパイプに取り付ける交通安全用品の一例

弊社が製造・販売する交通安全用品のうち、ガードパイプに取り付けて使用する製品の一例をご紹介します。

※ガードパイプ用の製品を横断防止柵や転落防止柵に取り付ける場合、製品によっては取り付けられないものもございます。特注により対応可能な場合もございますので、詳しくはお問い合わせください。

ガードケーブルとは

φ18のケーブル(ワイヤーロープ)と支柱から構成される防護柵です。ケーブルの弾性により車両衝突時の衝撃を吸収する構造となっています。

防護柵の中でも比較的支柱ピッチを長く取ることが可能な製品であるほか、ケーブルのため視界を遮る面積も少ないことから眺望性に優れており、景観が重要視される景勝地などで多く設置されています。また、ケーブルへは雪が積もりにくいため積雪地域でも多く設置されています。

種別は強度が低いものから順にC種、B種、A種の3種類あります。

※B種については、中央分離帯設置用のBm種もあります。

ガードケーブルに取り付ける交通安全用品の一例

弊社が製造・販売する交通安全用品のうち、ガードケーブルに取り付けて使用する製品の一例をご紹介します。

ボックスビームとは

角型のビームと支柱から構成される防護柵です。裏表がない構造のため、中央分離帯へ設置される防護柵として使用されています。その他の防護柵に比べて設置に必要なスペースが少なく済むのが特長で、幅員の狭い中央分離帯へも設置が可能です。

種別は強度が低いものから順にBm種、Am種の2種類あります。

ボックスビームに取り付ける交通安全用品の一例

ボックスビームに取り付けて使用する製品については、特注での製作対応となります。詳しくはお問い合わせください。

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ご存じですか?ワイヤロープ式防護柵

これまでご紹介してきた防護柵に加えて、近年新たな防護柵である「ワイヤロープ式防護柵」が登場しました。

ワイヤロープ式防護柵は、主としてセンターライン上に設置するための防護柵で、ケーブル(ワイヤロープ)と支柱から構成されています。支柱を比較的弱い強度とすることで、車両衝突時に支柱が倒れ、ワイヤロープで衝撃を緩和し安全に誘導する構造となっています。

高速道路の暫定2車線対面通行区間において車線逸脱による重大事故が多発したことを受けて開発され、2016年頃から全国で設置が進められ、2024年現在ではワイヤロープ式防護柵の設置が可能な土工区間への設置がほぼ完了しています。

従来、高速道路の暫定2車線対面通行区間においてはセンターライン上にラバーポールと中央分離帯ブロックを設置することで車線分離が為されていました。これらは比較的安価に設置することが可能でしたが、自動車が車線を逸脱することを防ぐ機能に乏しいという弱点がありました。

ワイヤロープ式防護柵はこの弱点を克服し、暫定2車線対面通行区間における重大事故の低減に大きな効果を発揮しています。

種別はBm種、Am種、LD種の3種類あり、暫定2車線対面通行区間においてはLD種が多く設置されています。

ワイヤロープ式防護柵に取り付ける交通安全用品の一例

弊社が製造・販売する交通安全用品のうち、ワイヤロープ式防護柵に取り付けて使用する製品の一例をご紹介します。

さまざまな防護柵が交通安全を支えています

「ガードレール」「ガードパイプ」「ガードケーブル」「ボックスビーム」に加えて「ワイヤロープ式防護柵」をご紹介いたしました。さまざまな設置場所に応じた防護柵が開発・設置され、自動車や歩行者の通行をサポートしています。お出かけの際には、ぜひ道路脇の防護柵にも注目してみてください(わき見運転にはご注意を!)。

また、弊社は防護柵に取り付けて使用する交通安全用品を各種製造・販売しております。特注にも対応いたしますので、お気軽にお問い合わせください。

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